勃起不全 ( ED ) と歯周病の関連が注目されています。 2012年に 「 米国泌尿器科学会年次集会 」 で発表された報告を紹介しましょう。
台北医学大学の研究チームが 「 勃起不全の男性3万3000人 」 と 「 勃起不全ではない男性16万2000人 」 を対象に5年に及ぶ追跡研究をおこなったところ、 勃起不全群に占める慢性歯周炎の人の割合は27%、 勃起不全でない群は9%と大きな差があることがわかりました。
またトルコでおこなわれた研究でも、 勃起不全患者 ( 30〜40歳の男性80名 ) の53%が 「 重度慢性歯周炎」 でしたが、 勃起不全ではない人 ( 同82名 ) では23%で、 明らかに少なかったという結果が出ています。
陰茎の内部に何らかの理由で血液がスムーズに流れないと、 勃起できなくなります。 こうした血行障害を起こす原因にはストレスなどさまざまなものがありますが、 血管内皮細胞の機能が低下すると勃起不全になリやすいことがわかっています。 歯周病は言ってみれば、 ずっと炎症が続いている状態ですから、 血液を通して血管内皮細胞を傷つけている可能性があるのです。