2013.07.11更新
同じ量、質のプラーク (歯垢) が存在しても、歯周病発病感受性の違いによって、歯周病を発症する人としない人がいます。
この違いの理由として、細菌に対する生体反応の違いが考えられます。
若年性歯周炎の患者さんでは、炎症性生理活性物質をつくり出す能力が人によって異なることが、歯周病の発症、進行に深く関わっていると考えられています。
また、早期発症型歯周炎が多発する家族を対象とした家系調査でも、歯周病の感受性には遺伝子的要因が深く関わっていることが明らかにされています。
投稿者: 南歯科医院
2013.07.10更新
この様なバイオフィルムをコントロールする方法としては、ブラッシング (歯ブラシ、歯間ブラシ)、フロッシングやスケーリング、ルートプレーニング、PMTC ( purofessional mechanical tooth cleaning ) など、機械的に除去する方法が行われています。
一方、殺菌剤による化学的な方法は浮遊細菌には有効ですが、バイオフィルムに対しては表面がバリアで覆われているため殺菌剤が浸透できず、これまでは効果が少ないと考えられてきました。
しかし、最近になってバイオフィルムに浸透でき、内部の細菌に対して殺菌力を発揮する殺菌剤が発見され、今までの常識が覆ろうとしています。
投稿者: 南歯科医院
2013.07.10更新
前段で述べましたバイオフィルムは、微生物、細菌などが外敵の攻撃を逃れ棲息するために、付着・凝集によって物質表面に形成するフィルム状の細菌叢 (塊) のことです。
増殖したバイオフィルムは、表面に作られた皮膜をバリアとして、抗生剤や殺菌剤の浸透を防御しつつ、歯周病原細菌の産生する酵素や菌の内毒素であるリポ多糖が生体に作用し炎症を誘発する一方で、歯周病原細菌は生体の防御反応からも逃れ棲息し続けます。
投稿者: 南歯科医院
2013.07.10更新
最近の細菌学的な技術の進歩により、約400種も存在すると言われている口腔内の常在菌の中で、歯周病は歯周病原細菌による感染症であることが立証されています。
歯周病原細菌は、はじめは人から人へと感染し、健康な歯肉の歯肉縁上あるいは歯肉縁下細菌叢に定着し、増殖に好条件の仮性ポケットが出来ると、そこに入り込んで増殖し、さらに進行した歯周ポケット内で病原性を発揮すると考えられています。
歯周病原細菌は嫌気性 (酸素を嫌う性質) 菌で、歯周ポケット内では単体ではなく、複数の細菌が共生してコロニーを形成していることも明らかになっています。
これが歯周病の原因となる細菌性バイオフィルムです。
投稿者: 南歯科医院
2013.07.09更新
さらに、歯周病と肥満や糖尿病などとは、歯周病が糖尿病や肥満、心血管系疾患を悪化させる、あるいは喫煙や糖尿病が歯周病を進行させるなど、双方向の相関関係があるという研究報告も発表されています。
投稿者: 南歯科医院
2013.07.09更新
歯周病とは、古くから 「歯肉や歯を支える組織の疾患」 と言われてきましたが、最近の20年で研究は進歩・発展し、歯周病は細菌による感染症であることが明らかになっています。
その一方で、肥満や糖尿病などの全身疾患と歯周病とのかかわりも次々に解明されつつあり、歯周病は感染症であると同時に、生活習慣病とも言われるようになってきています。
生活習慣病と言えば、肥満・糖尿病などがその代表例ですが、これらはその人の生活習慣と大きなかかわりを持っていると言われています。
歯周病も食後の口腔清掃を怠ったり、喫煙などの生活習慣が影響する生活習慣病の一つです。
投稿者: 南歯科医院
2013.07.09更新
心臓の弁に障害のある場合や人工弁に置換している場合、弁の周りの血流はあまりスムーズではありません。
このような部分では血液中に入り込んだ細菌が心内膜に定着して増殖し、高齢者などで免疫力が低下していると、細菌性心内膜炎を引き起こすことがあります。
細菌性心内膜炎で亡くなった患者さんの心臓を調べると、原因菌の約4割が口腔内細菌であったという報告もあります。
まだまだ解明されていない事はありますが、歯周病とこれらの疾患とに関連性があることは間違いありません。
投稿者: 南歯科医院
2013.07.08更新
歯周病は心臓や脳の病気とも関わっていることが分かってきています。
重度の歯周病患者は、心血管系疾患になる確率が歯周病のない人の1.5~3倍という報告もあります。
血管内に入り込んだ細菌の刺激で、血管内にプラーク (脂肪性沈着物) ができたり血小板が凝集したりします。
それがはがれて血栓となり心臓の冠動脈等に詰まって狭心症や心筋梗塞などを引き起こすこともあります。
これが脳の動脈に起こると脳梗塞を引き起こします。 歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞になりやすいともいわれています。
投稿者: 南歯科医院
2013.07.08更新
歯周病はお口の中だけの病気ではありません。
歯周病菌は炎症により腫れて出血する歯肉から容易に血管内に侵入し、全身に回る菌血症を伴います。
通常は一時的なもので、体の免疫力によって細菌は死滅し、細菌の産生する毒素は排除されます。
しかし特に体が弱り、免疫力が低下したとき、特に高齢者などでは敗血症に移行し、命にかかわることもあります。
又、細菌の出す毒素に対して産生される炎症性サイトカインなどは動脈の内皮細胞を障害して動脈硬化を悪化させるといわれています。
投稿者: 南歯科医院