2014.09.25更新
正常な歯周組織では、 破骨細胞を活性化する因子と、 骨吸収を抑制する破骨細胞形成抑制因子によって、 破骨細胞の形成促進と抑制がコントロールされ、 骨吸収と骨形成のバランスが保たれています。
しかし、 歯周組織の炎症が進みますと炎症性サイトカインによって破骨細胞が活性化し、 骨形成と骨吸収のバランスが崩れることで骨吸収が始まります。
投稿者: 南歯科医院
2014.09.25更新
サイトカインは、 生体を構成している細胞が分泌するタンパクで、 自身、 周囲の細胞に増殖・分化等を調節するシグナルを伝えています。
サイトカインの作用は炎症反応、 創傷治癒、 骨の吸収や形成などに関与するものまで多種多様です。
一方、 歯周組織を構成する細胞には歯肉線維芽細胞、 歯肉上皮細胞、 歯根膜細胞などの免疫担当細胞があります。
歯周炎が起こっている病巣では、 これらの免疫細胞がサイトカインを産生します。 本来は正常な歯肉の維持に不可欠なサイトカインですが、 歯肉炎の部位で持続的に作り出されることで、 正常なバランスが崩れ歯周組織の破壊を促進します。
これらのサイトカインは炎症のある歯周組織中に多くみられ、 歯周治療を行って炎症が消失すると著しく減少します。
投稿者: 南歯科医院
2014.09.25更新
生体に侵入した歯周病原細菌に対して、 生体防御反応により白血球が対峙します。
白血球の25%ほどを占めるリンパ球は、 NK細胞、 B細胞、 T細胞などの種類があり、 抗体を使って異物を攻撃しています。
また、 白血球の1つ、 マクロファージは生体内に侵入した細菌、 ウイルスを捕食し消化します。
しかし、 マクロファージやT細胞は、 結果的に炎症性サイトカインを産生し、 炎症を促進し歯周組織を破壊してしまいます。
投稿者: 南歯科医院
2014.09.18更新
同じ量、 質の歯垢 (プラーク) が存在しても、 歯周病発病感受性の違いによって、 歯周病を発症する人としない人がいます。
この違いの理由として、 細菌に対する生体反応の違いが考えられます。
若年性歯周炎あるいは広汎型重度歯周炎の患者さんでは、 炎症性メデイエーターを作り出す能力が人によって異なることが、 歯周病の発症、 進行にかかわっていると考えられています。
また、 早期発症型歯周炎が多発する家族を対象とした家計調査でも、 歯周病の感受性には遺伝子的要因が深く関わっていることが明らかにされています。
投稿者: 南歯科医院
2014.09.11更新
このようなバイオフィルムをコントロールする方法としては、 ブラッシング (歯ブラシ、 歯間ブラシ)、 フロッシングやスケーリング、 ルートプレーニング、 プロフェッショナルメカニカルツゥースクリーニングなど、 機械的に除去する方法が行われています。
一方、 殺菌剤による化学的方法は浮遊細菌には有効でも、 バイオフィルムに対しては表面がバリアで覆われているため殺菌剤が浸透できず、 これまでは効果が少ないと考えられてきました。
しかし、 最近になってバイオフィルムに浸透でき、 内部の細菌に対して殺菌力を発揮する殺菌剤が発見され、 今までの科学的バイオフィルムコントロールに対する常識は覆りつつあります。
投稿者: 南歯科医院
2014.09.11更新
バイオフィルムは、微生物、細菌などが外敵の攻撃を逃れ棲息するために、 付着・凝集によって物質表面に形成するフィルム状の細菌叢 (塊) のことです。
増殖したバイオフィルムは、 表面に作られた皮膜をバリアとして、 抗生剤や殺菌剤の浸透を防御しつつ、 歯周病細菌の産生する酵素や菌の内毒素であるリポ多糖が生体に作用し炎症を誘発する一方で、 歯周病原細菌は生体の防御反応からも逃れ棲息し続けます。
投稿者: 南歯科医院